雨上がりにて

雨上がりの土のにおいを タクシーの窓から嗅いでいる 曇り空の後ろから 光の筋が分かれて街に降りている もし、雲がなかったら 見えることなかった光の存在 幸せな街 光の中にあることも知らずに

たまには熱い夜も

田舎の夜は短くて涼しい 音もなくて 気づけば一日が始まっている 終わらぬ夜が恋しいな 好きでもないのに買うりんご飴とか 予想外を待ちすぎて深まるお酒とか

お節介

カレーは甘口がすきとはいったけど オリゴ糖入れちゃだめだよおじいちゃん 人工的な甘さは最低なんだよ 意識的な優しさは台無しなんだよ にんじんからにじむくらいが ちょうどいいんだよ

大切なことは

大切なことは言葉にはないの だから言葉だけ見てもしょうがない その言葉のやってきた方 その言葉が連れてきた風の向こう 聞くという行為のなかに 語るという行為のなかに

いたずらっこ

いたずらなものに、いたずらに、いたずらなことを覚えて、いたずらになる。 訳 たいしたことないことに、ただ何となく、途方もないことを感じて、しぬ。

もらい生き

生き生きと枯れる花から 生き生きと潰れた虫から 生き生きと流れる雲から 生き生きと帰る波音から 生き生きと血を捧げる人から 生き生きと恋に破れる人から 生き生きと叶わぬ平和を歌う人から 生き生きと死を詠う詩から 生き生きと鳴らすへたくそなフルート…

誰が言うか、何を言うか

その人の言葉が心に残るのは いいことを言うからか その人がいいからか その人のうたう歌が心にしみるのは いい歌を知っているからか その人がうたうからか 私は後者が理由だと言う でもその人は前者だと言う だからこんなに響くんだ