Keishythm

人間らしくちゃんと生きたい何かの、足跡です。

谷川俊太郎 「いのち」

サバンナに立つ象の足元
アリが一匹迷子になっている
太平洋の青い深みで
イワシの群れが銀にひらめく
コンクリの割れ目に咲いて
たちまちに踏まれた花も
大空に輪を描くトビも
みんないのち いのちをうたう

いのちがいのちを奪うときも
いのちからいのちは生まれ
いのちがいのちと争うときも
いのちはいのちとむすばれている

ホモサピエンスであるより先に
ヒトもひとつの無名のいのち
生きとし生けるもののふるさと
地球は生きていのちを育む

のびやかに地を蹴るいのち
ひたむきに夢見るいのち
いま響くこの歌声も
みんないのち いのちをうたう